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Channel: テストライダーという仕事
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T30タイヤ評価(3)

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前回の記事でも触れたけど、このタイヤ、実は現存するタイヤの中では比類なきレベルで発揮している素晴らしい特性があるのだ。私はこのタイヤを語るに当たり、このタイヤの良さのすべてと言っていいものだと感じているほどなのだが、このタイヤの最大の特徴といっても良いのが、その比類なき接地感なのだ。
 
接地感というにはあまりにも強く、「接地圧」と言った方が正しいと思うほどで、タイヤから上がってくる接地感は高く、実際、接地圧も非常に高く、実グリップも上がっているような感覚になる。そう、この接地感&接地圧こそ、このタイヤの最大の特性なのである。
 
もっとわかりやすく説明すると、とにかく、タイヤが路面をグリグリする感覚が非常に高いのだ。タイヤが潰れて路面をグリグリしているこのフィーリングは恐らく世の中にあるタイヤの中では間違いなく最高レベルのもので、唯一無二と言っても言い過ぎではないレベル。
 
どれだけすごいかというと、あまりの接地圧の高さに、私は空気圧が減っているのではないかと何度も思ったほど。実際私は装着当時、何度も空気圧を計り直しているほどなのだ。それほどこのタイヤが生み出接地感&接地圧は強い。今まで何度も記事の中で触れてはいるけれど、空気圧が0.1kg/cm2違っていても容易に感知することが出来るのだが、その経験を持った私でさえ、そう感じるほどすごいのだ。いや、これ、何度も言うけど、ここまで接地感を高められるというのはなかなかないのだ。それほどすごい。
 
そして驚くことに、空気圧を上げてもこのグリグリ感が変わらないこと。タイヤが潰れているかのようなあまりにも巨大なグリグリ感に、私は前後の空気圧を0.2kg./cm2ほど上げてみたのだが、それでも接地感と接地圧は変わることがないのには、この仕事をしている者として腰を抜かすほど驚いた。私のタイヤの仕様は重量車用のGT仕様なのだけど、そうでないものだとどうなるか非常に興味深いところ(^^)
 
この異常という表現をしても良いほどのグリグリ感は、一番最初の記事で触れた直進安定性にも大きく寄与しており、それだけでなく、路面追従性も非常に高い。まるで路面に合わせてタイヤが変形しているかのような感覚になるのだが、本当に路面の状態を手に取るようにわかるほど。これほど路面追従性が高く、情報が上がってくるタイヤはそうそうないと言える。
 
この「路面に合わせてタイヤが変形」の特性だけど、実際にニブリングに対する性能は非常に高い。ニブリングとは、たとえば、進行方向に沿って溝があるような路面を走行した時に、どれだけハンドルが取られるかといったものなのだが、本当に安定したハンドリングを見せるのだ。よくツーリングに行くと、横滑り防止の溝が掘ってある路面に出くわすことがあるけれど、そういう路面でのハンドリングの落ち着き具合は本当に素晴らしいものがある。
 
また、この比類なき接地感&接地圧は、峠を走行するときなど、まるで自分の腕で上がったと錯覚するほど。私は峠を走行するときは当然ながら相当な安全マージンを持って走行しているのだが、その安全マージンを引き上げてもいいと思うほどなのだ。それほどまでに、このタイヤがもたらす接地感&接地圧は高いのだ。
 
ああ、グリグリして気持ちいいのはあの時だけではなかったのだ(笑)。何度説明しても説明しきれないほどなのだが、このT30 、試す価値大です(^^)

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